メンズウエア考察

こんばんはー(^^)/

洋裁の得意な皆さまは、普段どんなものを縫っていらっしゃるでしょうか?

ご自分が着るためのレディースウエア、お子さま、お孫さん用の子ども服・・・
こういったアイテムはスタイルブックや市販のパターンなどが山のようにありますよね。
いざ手作りしようと思った時も、似たようなデザインの型紙などは少し探せば見つかる事も多いと思います。

一方、メンズ服はどうでしょう?
デザインブックや型紙などはレディースやキッズに比べて圧倒的に少ないように思います。
メンズ服は難しそう・・・という感覚が一般的にはあるのかもしれませんが、手作りする人があまりいらっしゃらない、という事なのでしょうか。

そもそも既製服でもメンズ服はデザインのバリエーションが少ないですよね。
シャツ、パンツ、ジャケット、どれをとっても形に大差はなく、生地も無地かストライプかチェックか・・・
「男は見た目じゃない!中身で勝負!!」と言われていた時代はとうに過ぎ去ったと思うのですが、この格差はなかなか縮まってこないものですね。

ところで。。。

メンズウエアは私は専門ではありませんが、身内や親しい人に手作りする事はよくあります。
色々な参考書やスタイルブックを参考に、婦人服の技法も適宜応用しながら、シャツ、パンツ、夏の裏なしジャケットなどを作っています。
形やデザインが同じでも、ちょっと変わった生地で作るだけで、ぐっとオリジナル感が出せます。
婦人服しか作った事がない、という方も市販のパターンを利用するなどして、ぜひメンズウエアにも挑戦して欲しいと思います。

 

ところで婦人服の応用で一番抵抗なく作れるといえば、「シャツ」ではないでしょうか。

メンズシャツは基本的な形がほぼ決まっています。
正式にはすべての縫い代始末を「折り伏せ縫い」にしますが、形式にこだわらなければ、ロック始末でも構わないと思います。
袖口のあき(剣ボロ)の縫い方も、一度覚えてしまえば、それほど難しいことはありません。
柄物の生地を使ったり、釦やホールの色を変えたりと、色々工夫するのも楽しいものです。

そういえば、メンズのシャツは、着ているうちになぜか特定の部分だけが痛んでくることはありませんか?
それはちょうど首の後ろ側・・・台衿の内側や上衿の付け根あたりです。
「なんでこんなところが」といつも不思議に思うのですが、男性は髪の毛が硬く、襟足が短いので、そのあたりが擦れるためなのでしょうか。
あるいは、男性は骨ばっているので、首の骨の出っ張った部分などが当たるためなのか・・・
とにかく、他は全く痛んでいないのに着られなくなってしまうのは何とも残念です。

生地に余裕があるなら、新しく作る際に、上衿付きの台衿を予備にもう一組作っておけば良いのかもしれません。
でも、ただでさえ手間のかかる作業。これは生地の余裕と心の余裕が必要かもしれませんね。
・・・・・
実際に私もやったことはありませんから(;^ω^)

 

「パンツ」も比較的作りやすいアイテムですね。
男性に限らず女性もそうですが、ボトムが体にぴったり合う市販品はなかなか無いので、手作りしてあげれば喜ばれると思います。

実はパンツにもメンズならではのポイントがあります。
それは「ウエストサイズが簡単に直せる仕様にしておく」という事。

市販のメンズパンツのほとんどは、ベルトが後中心で「接ぎ」になっています。
ベルトが左右のパンツの延長のような感覚ですね。
ウエストサイズを直す場合、ベルトを外さなくても後中心の縫い代を増減する事で対応できるのです。
特に中年以降の男性はお腹だけが出てくる事もあるので、こういう仕様にしておくと後々便利です。
後股上の縫い代を少しだけ多めに付けておくのも忘れずに。

また、男性はお尻のポケットにお財布を入れるのが好きですよね?
セカンドバッグなどを持ち歩くおしゃれな男性は少数派。
お尻のポケットは飾りではなく、ちゃんと実用的なサイズに作ってあげるのも心遣いです。

また、男性はシャツの裾をウエストインして着る事が多いと思いますが、着ているうちにウエストからシャツがせり上がって来てしまう事がよくあります。
そんな時はパンツのベルトの内側に「滑り止め」をつけてあげましょう。
これだけでもシャツのおさまりが良くなります。
滑り止めはシリコン製でアイロン接着できるタイプの物が市販されています。

また、パンツの裾の後側の内側・・・ちょうど靴のかかとが当たりやすい部分ですが、ここに一枚当て布を付けて補強することがあります。
これを「靴ずれ」と言います。
市販のスーツのズボンなどにはたいてい付いてますので、ご覧になってみてください。
ポイントは裾上げする前に折り返し部分に縫い付けておく事です。
表からは縫い付けたステッチが見えないようにするためです。

こういうひと手間は面倒に思われるかもしれませんが、後になって効いてきます。
せっかく手づくりした服は、やっぱり長く着てもらいたいですものね。

 

Tシャツのようなカジュアルな服は、より気軽にチャレンジできるアイテムだと思います。
ニット素材なら男女兼用でもOKだったりしますので、女性用を少し大きめに作るだけで対応できる場合もあります。

さて、こんなアイテムにもちょっとした気配りのポイントがあります。
というのも、男性は(人にもよるのでしょうけれど)総じて胸ポケットに何かを入れたがりますよね?
スマホだったり眼鏡(老眼鏡?)だったり、あるいは(今は少数派だと思いますが)タバコだったり。。。
私も「Tシャツやパジャマにも胸ポケットを付けて欲しい」と言われ、あきれた覚えがあります(;^ω^)
それ以後、トップスであればとりあえず胸ポケットを付けておく、というのが定番になりました。
使わなくてもポケットはデザインにもなりますので、「Tシャツにポケット」、お試しください(^^)

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というわけで、今日は婦人服が専門の私から見たメンズ服作りのポイントを考察してみましたが、如何でしたでしょうか?
メンズ服作り未体験の方も、ぜひ簡単なアイテムから挑戦してみてくださいね♪

それではまた~(#^^#)