ボタンのハナシ あれこれ

こんばんは~(^^)

今日は洋裁好きな皆さんにとって身近な「ボタン」についてお話してみたいと思います。

ボタンひとつでその服の印象がガラっと変わってしまう、というくらい、洋服にとってボタンは重要なアイテムですね。
それだけに、ボタン選びは楽しくもあり、あれこれ迷い悩む事もしばしば。。。

オーダーメイドのお仕事では、多くの場合はお客様から任されて私がお見立てします。
その服の素材やデザイン、お客様の雰囲気や人柄、好みなど様々な事柄を考慮しながら、時には私の直感や遊び心も交えて、
「その一着にはこれ!」
という運命のボタンを探します。
大抵の場合、私のチョイスはお客様に喜んで頂いています。

お客様の中には、「自分でお店に行って探すのは大変だけれど、最後は自分で選びたい」という考えの方もいらっしゃいます。
そのような場合は、あらかじめ私が何点か候補を選んで写真をメールやLINEで送り、お客様に選んで頂く、という方法を取っています。

以前はお店で商品の写真を撮るのはNGでした。
でも一般的にお店での写真撮影がOKになり、SNSなどのツールが普及した事で、お客様とのやり取りも本当に便利になったと実感します。

ところで。
趣味で洋裁をされる方も、ボタンを選びに悩まれる事もあると思います。
わざわざ買いに出掛けるのも億劫だし・・・出来れば手持ちのボタンを使いたい、と考える方もいるでしょう。
わかります。

でも、そういうのって、バレちゃうんですよね。
「やっつけ感」て言うんでしょうか。

それから、「無難な物」を選びがち、という方もいらっしゃると思います。
いかにも既製服に付いてそうなアパレルボタン。
せっかくの手作り服なのに、これも、もったいないですよね。

では、ボタン選びで大事な事って、何でしょう?

私は、「ときめき」だと思います。
心がキュン、となったら、理屈抜きにそのボタンを選ぶべきです。
一般的でなくても、生地の色と違っていても、大きすぎるとか、小さすぎるとか・・・
そんなの構いません。
きっと愛着のある一着になるはず。
私はそう思います。

一方、「この服のボタンはわき役で」という場合だってありますよね。
だからと言って、何でも良い、というわけではない。
普通でいいんだけど、ちょっとだけ普通じゃないかんじ。
そんなボタンをお探しの方におすすめなのが、「天然素材」

貝ボタン、ウッドボタン、水牛ボタンなどです。
お値段がお手頃なのに、種類も結構色々あり、そんなに安っぽく見えない物もあります。

以前住んでいた町の商店街にあった、小さなボタンやさんのご主人が教えてくれたのですが・・・
貝ボタンの裏側を表にして使う、という裏ワザがあります。
この場合、おすすめは黒蝶貝。

表はこんな感じ。よく見かけますよね。

で、裏はこんな感じ。

画一的な表側と違って、貝の模様が色々楽しめます。
私は表より好きかも(*^-^*)

水牛ボタンを選ぶ時は「本水牛」かどうかを注意してください。
水牛風樹脂ボタン、というのもありますが、こちらは良くメンズの既製服で見られるタイプ。
味わいはもちろん本水牛!

ウッドボタンはどんな生地にも不思議とマッチするので、便利なアイテムです。
ただし、物によっては素朴さが強調される傾向があるので、全体の雰囲気を考えて選んだ方が良いと思います。
あと、「お洗濯不可」なんていう物もあるので、お店で確認してください。

ちなみに、こちらのブログで過去にご紹介した、「ボタンリメイクシリーズ」。
白い貝ボタンや樹脂ボタンをウッドボタン風にリメイクしたりして、楽しんでいます。
よかったらご覧になってみてくださいね。

ボタンをリメイク part2
ボタンをリメイク part3

***ボタンこぼれ話***

オーダーのお仕事でジャケットとスカートのスーツをお仕立てした時の事です。
ジャケットのボタンはいつものように私がお見立てして選びました。
その時はお客様の好みを考え、金属ベースにキラキラの石があしらわれたちょっと高価なデザイナーズボタンをチョイスしました。
お客様にもボタンをお気に召して頂きました。

ところが、スーツを納品してから何ヶ月か経った頃、お客様からボタンの事でお電話を頂きました。
ジャケットに2つお付けしたボタンのうちの一つが、すぐ取れてしまうとの事。
お客様自身で何度か付け直したそうですが、しばらくすると、すぐまた取れてしまうそうなんです。
原因ははっきりしませんが、ともかくジャケットをお預かりする事に。

私は今までお客様からこのようなご連絡を頂いた事はありませんでした。
ジャケットなどのアウターのボタンはいつもかなり気を付けてしっかりと縫い付けていますから、簡単に取れる、という事は考えにくいのです。
そこで疑ったのが、「ボタンの穴」です。
拡大鏡でよくよく見てみると、ボタン足の内側がざらざらとしているように見えます。
このザラツキが糸を摩耗させているのかも・・・

幸いにも、私のお客様の中にジュエリー作家さんの奥様がいらっしゃいます。
金属製の物だから、ボタンの加工だってして頂けるかも。
そう思い、ご主人にお願いすると快く引き受けてくださり、ボタンの穴の内側をきれいに磨いて頂きました。
それ以後、ボタンが取れてしまう、というトラブルは一切なくなったそうです。
一件落着。。。

ボタンの穴の中なんて気にも留めてなかった、という方も多いはず。
ボタンが取れやすい時は一度ここを疑ってみては?

 
 
というわけで、ボタンについて思い付くまま書き連ねてみましたが如何でしたでしょうか?
 
 
それではまた~

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