裏地のハナシ その2

こんにちは♪

前回に引き続き、今日は裏地を縫製する際の注意点やコツなどについてお話していきたいと思います。

裏地の形というのは、基本的には表地と同じなのですが、完全に同じ、というわけではありません。
と言うのも、全く同じ形にして縫い返してしまうと、衿ぐりや袖口、裾などから裏地が吹き出して、表に見えてしまいます。
そのため、これらの箇所は見返しを付けたり、縫い代幅を多くとって、裏地はそれより内側に収まる大きさにします。
また袖に関しては構造上の理由から、丈だけでなく山の形や袖下の長さなども変えなくてはなりません。

上衣の裏地を製図するためには多少専門的な知識も必要としますので、裏地初心者の方はスカートやパンツなどのボトムから始める事をおすすめします。
それに慣れたら、市販の裏地付きパターンを使った縫製などにトライしてみてください。

 

さて・・・

スカートやパンツに裏地を付ける場合ですが、裏地の出来上がり丈は表地より2~3cm短くなるようにします。
裏地の裾は表地とは縫い合わさず、三つ折り始末にします。

表地のパターンを利用して裏地を裁断するなら、必ず「裏地裁断線」を記入しておいてください。
裾の三つ折り分を考慮して裁断線を決めるのが面倒だと思われるかもしれませんが、良い方法があります。

  • 表地の裾の縫い代を4cmにします。
  • 裏地は表地の出来上がり丈でカットします。
  • 裏地の裾は1.5cmの三つ折りにします。

これで裏地は表地のマイナス3cmに出来上がります。
表地のまつり縫い部分が裏地で隠れますので、見た目にもきれいです。
ほとんどのボトムに使えますので、覚えておいてくださいね(^^)

 

パターンの用意ができたら、いよいよ裁断です。
裏地の裁断には断然「ロータリーカッター」がおすすめです。

 

極薄地の裏地は鋏では布が逃げてしまったり、台から裏地を浮かせると地の目が崩れ、真っすぐ裁断するのが難しいからです。
スペースの問題もあるとは思いますが、できるだけ大きなカッターマットを使えば、より効率的に裁断作業ができます。

裏地を正確に裁断するために大事なのは、地の目を整える事。
縦横の地の目を真っすぐ、直角に配置することで地の目はきちんと整うのですが、裏地はこれが一苦労ですよね。

縦のラインは布の耳を基準にすれば真っすぐになりますが、問題は横のラインです。
横の地の目を整えるには「手で裂く」のが一番簡単です。
鋏で少し切り込みを入れておけば、平織りの裏地は簡単に裂く事が出来ます。
ただし、綾織りの裏地は裂くことが難しいので、慣れない方は避けた方が無難です。
昨日ご紹介した「ベンワールド」や「ニューベンヒット」などがおすすめです。

裏地を広げ、型紙を乗せたら、いざ裁断!
ロータリーカッターの刃は新しい物に交換してください。
裏地は繊細なので、切り残し部分から電線してしまう事があるのです。
鋏を使う方は、できるだけ細かくピン打ちをして、地の目が歪まないように気を付けてください。

裁断できたら、いよいよミシン縫い!
ここでもいくつか注意点があります。

裁断の注意点でも書きましたが、裏地は地の目が歪みやすく、真っすぐに裁断したつもりでも裁ち端が歪んでいたり、大きさが多少違っていたりするものです。
これはある程度仕方がないとしても、ミシンで縫う時はその点を考慮しなければいけません。

2枚を接ぎ合わせる時に合印にピン打ちをすると思いますが、ピンとピンの間は布端がずれてしまいがちです。
気付かずに縫ってしまうと、下になっている方の生地が外れてしまっていたり、縫い代が浅くなってしまっていたり。
こうならないためにも、ミシン縫いの時は絶えず絶えず下の布がちゃんと揃っているか気にしながら縫う必要があります。

また、裏地は布が柔らかいのでミシンで縫うと「縫い縮み」が起きやすいのも注意が必要です。
そのため、糸調子を少し弱く設定し、針目を細かめにします。

裏地はたるませておかず、ピーンと張った状態で縫うと、縮まずにきれいに縫えます。
具体的には布の向こう側と手前で引っ張り加減にしておいて縫うのです。

それにしても、布端が揃っているか気にしながら、手で張りを持たせるようにして、なんて、いかにも難しそうですよね?
ですから、はじめのうちは面倒でもしつけをしてから縫った方が良いかもしれません。
何度もやっているうちにだんだんと感覚がつかめてくるはずです。

パーツを接いだら、裁ち目かがり(ロックやジグザグ)をして、アイロンです。
裏地は基本的に縫い代を「割り」ではなく「片倒し」にします。

多くの場合裏地は表地よりも少ない縫い代幅で縫って、表地の出来上がり線で折る、という方法をとります。
要するに実際には裏地は表地より大きくなるように縫われているのです。
これを「キセをかける」と言います。
このキセが遊び分となって、身体の動きに対応してくれるため、表地にダメージが伝わるのをカバーしてくれる、というわけです。

 

さあ、パーツの組み立てが終わったら、裾の始末です。

最初にお話ししたように1.5cm幅の三つ折りにして、ステッチをかけますが、ここでも注意点があります。
フレアーなデザイン・・・裾広がりなラインの場合、折り返した部分がどうしても余ってしまいます。
フレアーが大きいほどこの内径外径差が大きくなります。
この事を考えずに縫っていくと、折り返した部分がどんどん後に押されて行って、三つ折りに「よじれ」が出来てしまいます。
こういう裾がよじれた裏地の既製服、見かけた事ありませんか?

ポイントは、どの部分も裾の出来上がりラインに対して必ず垂直に折っていくこと。
折り返した部分の余りは少しずつイセながら、均等に自然に合わせていくのです。

難しければ、タックをとっても構いません。
慣れないうちは必ず「しつけ」をしてください。
ミシンステッチが難しければ、手まつりでも良いのです。
大事なのは「よじれない事」、「出来上がりラインがなめらかな事」です。

裾が始末出来たら表地と合わせ、ベルト付けをすれば、完成です!

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というわけで、裏地縫製の注意点をお話してきましたが、如何でしたでしょうか?
「難しそう・・・」と思われたかもしれませんが、心配は要りません!

裏地縫いは一つ一つを丁寧にする事を心がけ、回数を重ねる事で必ず上手になります!
私が保証します(^O^)/

ぜひチャレンジしてみてくださいね~(^.^)/~~~

 

 

 

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