精練とは?

こんにちはー(^^)/

今日のテーマは「精練」。

「せいれん」という言葉を聞くと、一般的には金属の「精錬」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

ちなみに、金属の精錬とは、「鉱石から不純物を取り除いて純度の高い金属を取り出す工程」の事です。

一方、布の精練は「糸や布に付着している不純物や油脂分などを除去する工程」の事を言います。

どちらも意味は似ていますが、良く見ると「れん」の字が違いますね。

金属の方は「かねへん」で、布の方は「いとへん」です。

意味を考えれば納得ですが、ちょっと間違えやすいかもしれません。

 

ところで糸や布の精練ですが、どういう目的で行われるかというと、主には染色作業に関係しています。

布地に油分や汚れなどが付着していると均一に染まらないため、色々な薬剤を使って不純物を取り除く作業が行われますが、これが「精錬」と呼ばれているのです。

あるいは綿やウールなどから繊維カスやゴミなどの物理的な異物を取り除いたりする作業も精練に含まれるようです。

 

このような「精練」ですが、もともとは絹の糸や織物の風合いを良くするための工程でした。

絹糸は中心部が「フィブロイン」というたんぱく質の成分と、外側の「セリシン」という膠(にかわ)質成分とで構成されています。

絹を湯で煮て、外側のセリシン落とし、フィブロインだけにすることで光沢が出て、しなやかさが増すのだそうです。

通常の絹糸や絹織物はすでにフィブロインだけになっていますが、精練していない絹糸というのは、実は釣り糸のテグスのように硬いそうなんですよ。

その精練していない絹糸で目の粗い平織りにされた生地が、元々の「オーガンジー」です。
(現在流通しているシルクオーガンジーはほとんど精練されています)

 

ところで、この精練工程ですが、糸の状態で施される場合と、布の状態で行われる場合があります。

例えば、日本の着物地で「縮緬(ちりめん)」という布がありますよね。

縮緬は経糸に撚りのない糸を使い、緯糸に「強撚糸」という強く撚りをかけた糸を使用して織られています。
こうして織りあがった布を精練すると、撚りが戻って、独特の「シボ」が出来る、というわけです。

一方、「御召(おめし)縮緬」という布があります。
こちらは経糸緯糸ともに強撚糸を使用しますが、縮緬と違って糸の状態で精練してから織ります。
そのため、風合いは硬くコシがあり、シボがはっきりと表れるのが特徴です。

余談ですが・・・

着物をリメイクする方はご存じだ思いますが、通常リメイクする場合、解いた着物地は一度洗ってから使います。
汚れを落とすのが主な目的ですが、他にも理由があります。

着物に使われている絹布は濡らすと縮む性質があります。

リメイクして作った服は家庭で洗濯する事を前提にしています。
出来上がったリメイク服を洗濯したら縮んでしまった、という事が無いよう、あらかじめ生地を洗って縮ませておいてから仕立てるのです。

同じ着物地でも特に「縮緬」や「御召」は、洗うとかなり縮むので、洗ったら要尺が足りなくなって困った、という方も多いのではないでしょうか。

縮緬は強撚糸が使われているのは緯糸ですから、主に横方向に縮みます。
あまりに縮んでしまってびっくりしますが、実は縮んだ縮緬はスチームアイロンで軽く伸ばしていくと結構もとに戻ります。

一方、御召の方は縦横に強撚糸を使っているため、縦横に縮みます。
そして、一度縮んだ生地はスチームアイロンでもなかなかもとに戻りません。

この違いは、糸を精練するか、布を精練するか、という工程の差も関係しているのではないかと想像します。

どちらにしても、リメイクするには難しそうだと敬遠する方もいらっしゃると思いますが、縮緬はいっそ縮むだけ縮ませて「プリーツ布」のようにして使うのも良いでしょうし、ゆとり分を少なくして「ニット地」のような仕立て方もおもしろいと思います。

あまり寸法にこだわらないラフな服がおすすめです。

御召の方は家庭での水洗いは避けた方が無難ですね。
解いた布を洗わずに仕立て、仕立て上がった服はドライクリーニングに出すようにするのをおすすめします。

 

ところで、「シルクは肌に良い」というのを聞いたことがありませんか?

確かにシルクは肌触りも良いし、吸湿性にも優れていますので、肌に優しいのは確かです。

ただ、近年化粧品にもシルク成分が含まれていたりしますが、お肌をきれいにする成分は、実は精練によって取り去られた「セリシン」の方なんですよね。

ですから、市販の絹布の端切れでいくら顔をこすったところで(笑)、絹糸を化粧水に漬けこんだところで(笑)、残念ながらお肌がきれいになる事はありません(;^ω^)

それではまた~(^.^)/~~~

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