こんにちはー(^^)/
ミシン縫いの基本とも言うべき「返し縫い」。
縫い始めと縫い終わりで、縫い目が解けてこないようにするために数針重ね縫いする事。
言うまでもなく皆さんご存じですよね?
ところが意外にも、「返し縫いは苦手」、「縫い目がきたなくなるからやらない」という方も結構いらっしゃるんですよね。
確かに返し縫いをすると、布の端が丸まってしまったり、ミシン目が団子状になってしまったりする事があります。
私も経験ありますし、皆さんも思い当たるのではないでしょうか。
返し縫いを嫌う方は几帳面な方が多く、仕事が丁寧だったりします。
そういう方は、返し縫いをしない代わりに、糸端を裏側に出して結んだり、という事をしていらっしゃるようです。
こうすれば縫い目は1本ですから、見た目はスッキリときれいに見えます。
ところが!
この、「ミシン糸の端を結ぶ」というやり方は、強度としてはどうでしょう?
ミシン糸は手縫い糸に比べて細いですから、1~2回結んだだけでは結び目が小さすぎて、布の織りの隙間から抜けて行ってしまう危険もあります。
また、力がかかる箇所では結び目の根本で糸が切れてしまう事もあります。
一度結び目が切れてしまったら、結局縫い直さなければなりません。
縫っている最中に切れた場合はすぐに縫い直せますが、出来上がった後、着ている時に縫い目が解けてきたら困りますよね?
自分の服だったら笑ってごまかせますが、それが製品である場合は、糸が解けて来る縫製はアウトなのです。
一方、返し縫いの場合。
返し縫いのやり方は人それぞれだと思いますが、私の場合は・・・
縫い始めは「行って」「返って」を3目ずつやって、本縫いに入ります。
縫い終わりはその逆・・・本縫いで布端まで行ってから「返って」「行って」を3目ずつやって終わります。
より丈夫にしたい場合は、返しをもう1ターンだけ追加する事もあります。
こうすることで3重~4重に縫われている事になりますから、糸端が多少解けたとしても、それ以上解けてくる事はまずありません。
もちろん、糸調子が悪かったり、既製服でしばしば見受けられるような粗悪な糸を使っていたり、という場合は別ですが。
このように、「糸端を結ぶ」という事は、返し縫いの代わりとしては全く不十分なのです。
着る人の立場に立てば、丈夫である事が最優先されるべきだと私は思います。
とは言え・・・
返し縫いがきたなくなりがちなのは、私も認めます。
だとしても、地縫いの場合なら、縫い始めや縫い終わりの返し縫いは縫い代の中に収まりますよね。
例えば脇なら、上端は袖ぐりのロックミシンで隠せますし、下端は裾のヘムの中に隠れてしまいます。
仕上がりで見えなければ問題はありません。
ステッチの場合は確かに返し縫いがきれいでないと目立ちますので、極力同じ針穴を通るように(時には、はずみ車を手で回しながら)丁寧に縫っていきます。
それでもきれいにステッチできない、という場合は、返し縫いをしないのもやむを得ないですが、その場合は、ただ糸を結ぶだけではなく、ミシン糸を長めに残して切り、手縫い針に取って、裏側の目立たないところで何回か返し針をしてから玉止めをします。
その後、ヘムや見返しなどがある場合は、内側に引き込んで玉を隠します。
美しさと丈夫さを両立させるには、ここまで気を遣いたいところです。
ところで・・・ミシンの返し縫いがゴロゴロしてしまう件ですが、改善策もあります。
特に自動糸切り機能のあるミシンで返し縫いがうまく行かない場合は試してみてください。
縫い始めは下糸を敢えて引き出し、上糸と下糸を押えの左側方向に長めに出して、返し縫いの時は軽く糸を押さえながら縫います。
縫い終わりは、自動糸切りを使わず、布を少し引っ張り、ハサミで糸を切るようにします。
これで縫い目がゴロゴロする事が少なくなりますよ(*^^)v
また、布端が丸まってしまったり、針穴に布端が引き込まれてしまう、という場合は、このブログではおなじみの、布ヤスリ付きのミシン定規を使うと、かなり効果的です。
ミシン定規についてはこちらの投稿で取り上げていますので、良かったらご覧になってください。
というわけで、返し縫いの効用と縫い目対策についてお話してきましたが、如何でしたでしょうか?
それではまた~(^^)/