こんにちはー(^^)/
今日は前回に引き続き、薄地をミシンできれいに縫うためのコツをお伝えしていきたいと思います。
薄地縫いのコツはズバリこの3点!!
では順を追って説明していきますね。
薄地がきれいに縫えない時の症状でよくあるのが「縫い縮み」ですよね?
なぜ薄地だと縫い縮まってしまうのかというと、中肉地や厚地に比べて生地が薄くて柔らかいため、糸のテンションや糸調子に対して生地が負けてしまい、平らな状態を保っていられなくなってしまうから。
要するにミシン目の中に生地がいせ込まれた状態になってしまうのです。
そのため、薄地縫いで次のような事がよく推奨されています。
- 上糸調子を弱くする
- 縫い目を細かくする
縫い縮みの原因から考えれば、確かにこれらは有効です。
でも、これだけでは不十分。
というのも、これらは「糸側」のテンションを弱める対策です。
同時に「布側」を平らに保つ対策もしなければならないのです。
要するに、ミシンで縫っている部分の布を「ピーンと張った状態にしておく」という事。
私のやり方は・・・
右手は生地を右手前方向に、左手人差し指は左手前方向に、左手中指は左向こう側方向にそれぞれ引き、そのまま布を送っていきます。
ちょっとわかりにくいですね(;^ω^)
実際に裏地を縫い比べた動画がありますので、こちらをご覧ください。
左手は人によってやりやすい置き方が異なるかもしれませんが、重要なのは「常に左手が自由に使える状態」であること。
そして、そのためには「フットコントローラー」の使用が必須なのです。
フットコントローラーの重要性は今までも何度もお伝えしていますよね。
こちらの投稿でも詳しく解説しております。よかったらご覧ください。
これは「一気に縫っちゃだめ」という意味です。
なぜ一気に縫ってはいけないのか、というと、それは前回お話した「薄地の裁断の難しさ」と関係しています。
薄地は裁断時に地の目を正しく広げて置く事が難しく、そのため真っすぐに裁断したつもりでも真っすぐにカット出来ていない事が多いのです。
そのため2枚を縫い合わせる時、真っすぐ置いたつもりでも布端が揃っていない部分が出てきます。
そのまま上の布だけを見て一気に縫ってしまうと、下に重ねた方の布端が揃っておらず、縫い代が細くなってしまっていたり、ひどい時には縫い目が外れてしまっていたり、という事が起きてしまうのです。
待ち針を打っていても、針と針の間の部分でズレてしまっている事が多いのです。
「それなら待ち針を細かく打てば大丈夫じゃない?」と思われるかもしれませんが、そうすると、待ち針を抜く作業のために頻繁にストップしなければならず、「両手で張りを持たせて縫う」という点がおろそかになりがちです。
ですから、こういう薄地の場合は長い距離の布端を一度で合わせるのは困難だと心得て、先に説明したように両手で固定できる範囲だけを縫い、順次布端を合わせ直して、ちょこちょこと縫い進めていく方法をおすすめします。
もちろんバッチリしつけをしてからミシンをかけるのでも良いのですが、しつけをする事で地の目が固定されてしまい、かえってミシン縫いの際に生地の張りを持たせるのが難しくなってしまう場合もありますのでご注意ください。
薄地縫いは90番の糸で縫う、と思い込んでいる方も多いと思います。
確かに普通地用の60番では生地の厚みに対して糸が太いため、縫い目が目立ってしまう上に縫い縮みを起こしやすいです。
そのため、家庭用糸の代表的な「シャッペスパン」には薄地用として90番も売られています。
ただし注意したいのはスパン糸の90番は強度が高くありません。
試しに手で引っ張ってみて頂けるとわかりますが、手でも簡単に切れてしまいます。
また、そもそもスパン糸はポリエステルではありますが木綿糸を模して作られており、糸の表面がザラっとしているため、生地との摩擦が大きく、薄地ではいせ込まれやすい、という特徴があります。
私はシャッペの90番を使うくらいならフィラメント糸の50番を使う方が縫い目が綺麗だと思っていて、ほとんどの生地をエースクラウンの50番で縫っています。
ちなみにフィラメント糸は絹糸を模して作られたポリエステル糸で、長繊維を撚り合わせているため表面がツルっとしていてなめらかです。
生地との摩擦も少ないので、薄地には向いていると思います。
但し、販売されているフィラメント糸は工業用の太巻きがほとんどで、家庭用の小巻は商品が極端に少ないようです。
その数少ない商品の一つ、シャッペスパンと同じメーカーで販売されている家庭用のフィラメント糸「ファイン」という商品はどうでしょうか?
ファインに関しては以前もこのブログで書きましたが、他の工業用フィラメント糸などに比べて伸縮性が小さく、ミシンの上糸調子がかなり強くなってしまうというクセがあり、かえって縫い縮みが起きやすいように感じるため、あまりおすすめしておりません。
では、薄地を縫う場合はどの糸を使えば良いのでしょうか?
そこで私がおすすめするのは「ダルマロフティ」という糸です。
この糸は60番の家庭用糸ですが、同じ60番のシャッペよりも表面が滑らかで光沢があります。
薄地を縫った時の摩擦が少ないため、シャッペよりも縫い縮みが少なく、縫い目も繊細で綺麗です。
また、シャッペの90番よりも強度は勝ります。
比較的入手しやすく、実店舗ではユザワヤさんでも扱っています。
まだ使った事がない方はぜひ試してみてください。
というわけで、薄地をきれいに縫うコツについてお伝えしてきました。
少しでもお役に立てれば嬉しいです(*^-^*)
それではまた~(^^)/
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