こんにちは(^^)/
突然ですが、皆さん「アセトン」ってご存じですか?
身近なところではネイルの拭き取りに使う「除光液」の主成分として知られていますが、水や油脂類、さまざまな液体と混ざり合うので、有機溶媒として広く使われています。
独特のアルコール臭がしますが、人体への影響はわずかである、という事が研究によって明らかになっていますので、化粧品や食品添加物としても広く使われているようです。
さて、このアセトンは強力な「脱脂性」を持っています。
除光液を例にとると、マニュキュアの主成分は合成樹脂なので、アセトンの脱脂効果で樹脂が溶かされ、爪に塗られたマニキュアを拭き取る事ができるのです。(ネイルをオフした後は爪や指が白っぽくなりますが、それは爪や皮膚の油分がアセトンの脱脂作用によって失われてしまうためです。)
同様にラッカー塗料や油性マーカーなども同じように合成樹脂が主成分なので、お子さんの落書きもアセトンで消す事が出来ます。
と、ここまでの話はご存じの方も多いかも知れません。
ところで、私がなぜアセトンに注目したかという点について少しお話しましょう。
洋裁関係の道具や材料には実は「樹脂」がとても多く使われています。
代表的な物は、「接着芯」。
アイロンで生地に接着することができるこの糊は「合成樹脂」です。
一旦貼り付けた接着芯はなかなか剥がす事が難しく、無理に芯地を引っ張って剥がせたとしても、樹脂糊が生地に残ってしまいます。
そのため私は「ヒューズアウト」という専用のスプレーを使って接着芯を剥がしていました。
「ヒューズアウト」については過去にご紹介していますので、興味のある方はこちらやこちらもご覧になってみてください。
このヒューズアウト、接着芯が綺麗に剥がせるだけでなく、本当に色々な用途に使っています。
ただ、便利過ぎて多用するので結構早く無くなってしまうのですが、お値段がそれなりにするので、もう少しリーズナブルな物が無いかしら・・・と常々思っていたのでした。
そんな時アセトンの事を思い付いたのです!
「樹脂を溶かすなら、アセトンでも接着芯が剥がせるんじゃない?」
ご存じのように除光液は結構安価に販売されてますよね?
しかも「アセトン」単体でも販売されており、安価な上、ネットで簡単に手に入ります。
で、さっそく試してみる事にしました(^^)
アセトンを少量スプレーボトルに移します。
接着芯全体が湿るくらいにアセトンをスプレーします。
ほら、この通り♪
糊残りも無く、きれいに剥がせました!!
接着芯剥がし効果としてはヒューズアウトに引けを取りません。
但し、布によってはアセトンで多少変色してしまう場合がありますので、残布で確かめてから使ってくださいね。
この他にも、「ほつれどめ液」のような液体樹脂による布へのシミを取り除いたり、過去にご紹介した「ほつれ止め筆ペン」のペン先を使用後に拭き取ったり。
洋裁の仮止めに両面テープを使う場合、その部分をミシンで縫うと、ミシン針がべとべとになって目飛びの原因になったりしますが、そんな時の針の拭き取りにも便利です。
さらにさらに!!
先日、とある場所の掃除を頼まれた時の事です。
窓ガラスには色々張り紙をしていたようで、セロテープの跡がたくさん残っていました。
「こういう時はアセトンでしょ!」
という事で、テープ跡にアセトンをスプレーして拭き取るという作業をしていたのですが、
スプレーしたアセトンが、サッシのゴムパッキンの上に流れ落ちると、その部分の黒ずんだゴムがみるみるきれいになっていくではありませんか!
そう、ゴムや樹脂製品にこびり付いた、洗剤でも落ちないような汚れが、アセトンで驚くほどきれいになるんです!
家のお風呂のドアでも実験してみました。
これが
おわかりになるでしょうか?
ゴムパッキンの黒ずみは洗剤でも落ちないので悩みのタネでしたが、アセトンで悩み解決です(^O^)
その他、身の回りの樹脂製品でも色々試してみましたが、たいていの汚れには効果アリです。スプレー後にブラシでこすって拭き取るのを繰り返せば、頑固な汚れもきれいになります!
ただ、難点はアセトンの揮発性が高いため、すぐに乾いてしまうこと。アセトンがかかった部分とかかってない部分であきらかに差が出来てしまうため、まんべんなくスプレーする必要があり、かなりの消費量になってしまいます。
なので、私は掃除の場合はアセトンを2倍程度に水で希釈して使っています。
それでも十分汚れが落ちますし、使用量も抑えることができます。
このように大役立ちのアセトンですが、毒性は低いとはいえ影響はゼロではないので、できるだけ吸い込まないように、換気を十分にして使ってくださいね。
優れものの「アセトン」、お試しになってみては如何でしょう(^^)/
それではまた~(^.^)/~~~