洋裁クリップの是非

こんにちは~!

皆さま、「洋裁クリップ」、ご存じですよね?

 

最近はニットソーイング経験者も増え、スクールに通ったり、体験教室に行かれたことがある、という生徒さんが増えたように思います。

そういう影響でしょうか、教室でも洋裁クリップを使う方が目に付くようになりました。

しかも、ニットではなく布帛でもクリップを使っている方もいます。

初心者さんというわけではなく、家でもクリップを使って支障なく縫っていらっしゃる、という方なら、もちろんそれでも構いません。

でも、きちんと、正確で、美しい作品にしようとするなら、クリップの多用はおすすめできません。

そもそも、

ニットソーイングに待ち針ではなくクリップを使った方が良い、という根拠は無い、と私は思っています。

ニットソーイングを教える教室では、ほとんどの縫いをロックミシン一つで出来、しかも短時間で仕上がる、という事を売りにしています。

ロックミシンには「メス」が付いていて、待ち針を付けたまま縫うと、待ち針の先をメスで切ってしまうので、クリップを使うようになった、という事のようです。

でも、それはメスの手前で針を抜けば良いだけの事ですし、クリップだって手前で外しますよね。

ですから、ロックミシンで待ち針が使えない理由にはなっていません。

ですから、クリップを使う利点は「手軽で時短になる」という事だけ。
誤って手に刺して痛い思いをする事がない、という利点もありますが(;^ω^)

ですが、実際にクリップを使って時短になるのか?というのは大いに疑問が残ります。

例えば、ニットの裁ち端はカーリング(丸まってしまう)している事が多いですよね。
そのため、ところどころクリップで留めたくらいでは2枚の布端がきちんと揃っておらず、合わせの縫い目が外れてしまっている事も。

そんな時は解いて縫い直しをする事になるのですが、4本糸のロックの縫い目を解くのはとても大変です。

生地の糸まで切ってしまったり、ルーパー糸を引いて縫い目が固く締まってしまったり、
解けたとしても、メスでカットしたせいで布端はガタガタになっていたり。。。
こうなると生徒さんたちはお手上げ、「せんせ~い!」とSOSが発信されます。

もはや時短どころではありません(;^ω^)

こんな一か八かのようなやり方ではなく、布端が揃わない生地だったら、きちんとしつけをしてから縫えば良いのです。
急がば回れ、ですね。

さらに、クリップは留められる範囲が布端から1cm程度に限られます。
ロック縫いならまだしも、縫い代幅1.5cmの地縫いとか、3cm幅のヘム縫いなど、クリップで届かない位置を縫う時には全く役に立ちません。

その点、待ち針ならどこでも留める事ができます。
さらに待ち針の良い点は針一本で2点を固定できる、という事。
より広範囲で地の目を安定させる事ができるので、縫い目のゆがみを防ぐ事もできますし、余計な部分を挟んで縫ってしまうのを防いだりする事もできるのです。

さらに言うと、普通の直線ミシンにしてもロックミシンにしても、送り歯は下だけに付いていますので、多かれ少なかれ「縫いズレ」は起こります。

もちろんクリップで留めたくらいでは「縫いズレ」を防ぐ事はできません。

ただし、ニットの場合は短くなってしまった方の生地を引っ張って伸ばせば、つじつまを合わせられる事もあります。
もちろん、それで良いわけではないですし、仕上がりだってそれなりです。
見る人が見ればわかります。

ところが、その調子で布帛を縫おうと思うと、そういうわけにいきません。

引っ張ってつじつまを合わせる事はできませんので、イセやタックが入ってしまうとか、ひどい時には、縫い直しもせずに縫い終わりで余った布をカットしてしまう人さえいます。
思い当たる方、いませんか?

手軽さ、時短に惹かれてクリップ洋裁を始めた、という方もいらっしゃるでしょう。

もちろん、時と場合によってはそれも役に立つ事もあるでしょう。

ですが、きちんと印付けをする、必要に応じてピン打ちやしつけ縫いをする、縫いズレしない技術を学ぶ、という洋裁の基本を続けていれば、必ず「きれいに」「早く」縫えるようになります!!

 

ソーイングルームHARUでは、洋裁初心者さんにも基礎から丁寧にご指導致します。
また、基礎を踏まえつつ、無理なく、早くきれいに縫う方法もご指導しています。

また新たにオンラインレッスンも始める予定です!

詳細は今後ソーイングルームHARUのホームページにてお知らせしていきますので、ご興味のある方はチェックしてくださいね(^^)/

それではまた~(#^^#)

#洋裁クリップ #ニットソーイング #洋裁教室 #洋裁オンラインレッスン #洋裁体験教室