「糸立てスタンド」のすすめ

こんにちは~(^^)/

私が講師をしている二つの洋裁教室では、家庭用ミシンと職業用ミシンをそれぞれ完備しています。

職業ミシンはどんな生地でも綺麗に縫えるパワーと性能があり、直線縫いが主体の洋服縫製には間違いなく適しているので、どんな方にもおすすめしたいところです。

でも、すでにご自宅で家庭用ミシンをお持ちの生徒さんは、教室でも使い慣れた家庭用ミシンを使いたい、という方が多いのが実状です。

もちろん家庭用ミシンでも「BOX送り」という送り歯の機構を採用しているJUKIミシンのように、縫いの安定性に優れた製品もあります。

自動糸調子機能が付いている機種もあり、初心者さんでも糸調子に苦労することなくミシン縫いが楽しめる、という点は家庭用ミシンの長所でもあります。

ところが、そんな家庭用ミシンには「縫い」というメインの性能とは別に、少々使いづらい点があります。

それは、「糸コマをせまいスペースで横向きにセットする仕組み」

これがなぜ使いづらいのか、と言うと・・・

家庭用の小巻糸ではなく、少し大きい太巻き糸だと、糸が引っ掛かって正常に送られない事があるのです。

左が通常の小巻(高さ4cm、200m巻き)、右が太巻き(高さ5cm、700m巻き)。

太巻きを家庭用ミシンにセットすると、こんな風になります。

高さ的には問題無く設置は出来ます。

ただ、使っているうちに、糸が中心の棒の部分に引っ掛かったり、糸コマの縁の切り込み(糸をしまう時に解けてしまわないように糸端をはさんでおく部分)に引っ掛かってしまったりするのです。

これは糸が繰り出される際に、縦置きの場合は垂直方向に、横置きの場合は水平方向にある程度真っすぐ引き出し、その後、糸案内に送られる必要があるのですが、そのための最適なスペースは小巻糸を基準に設計されているためではないかと考えられます。

これが、工業ミシンや職業ミシンのように糸を立てて設置する方式ですと、ある程度の高さまで一旦真上に糸が引き上げられる仕組みになっているので、問題なく太巻き糸でも使用する事ができるのです。

ロックミシンをお持ちの方なら、縦置きの仕組みは良くお分かりになると思います。

コンパクトでポータブルな家庭用ミシンでは、そもそもそういう設計は難しいのかもしれません。

では、家庭用ミシンでは小巻糸しか使えないのでしょうか?

いいえ、工夫次第で太巻き糸や、もっと大きい工業糸を使う事もできます!

小巻より断然コスパも良いですし、糸の取り換え回数も減って効率も良くなりますから、良く使う生成りや黒だけでも太巻が使えると便利ですよね。

では、家庭用ミシンで太巻糸を使う時の対処法をご紹介しましょう。

1.切り込みをセロテープでふさぐ

これは、糸コマの縁の切り込みにどうしても引っ掛かってしまう場合に有効です。
テープを貼る時は、テープ自体に引っ掛かりができないように滑らかに貼る事が大切です。

 

2.ミシンの背面に糸を立てて置く

この方法は、コマの切り込みではなく、糸立て棒に絡まってしまう場合に特に有効です。

ミシンの背面はこんな感じですよね。ここに糸を縦置きするわけです。

但し、テーブルや机にただ置いておくだけでは、糸がミシンの方に引っ張られるように引き出されていくので、かえってどこかに引っ掛かってしまったり、そのせいで抵抗が生じて糸調子に影響する場合があります。

その場合、先にお話ししたように、糸をミシンよりも高い位置まで一旦垂直に引き上げ、それから糸案内へと導く事ができれば、抵抗なくスムーズな糸送りができます。

ただこういう仕組みって、家にある物で手作りできそうな気がしますが、なかなかできそうで出来ないんですよね。

でもご安心ください(^^)/

便利な糸立てスタンドが色々と市販されています。

家庭用太巻はもちろん、工業用も使えるようになるので、とても便利です!

1本用、2本3本用、価格も色々ですが、あまり安い製品は安定性が悪かったり、耐久性に問題があったりするようですから、お気を付けくださいね。

ご興味のある方、ぜひお試しください(#^^#)

それではまた~(^^)/

#糸立てスタンド #ミシンの糸切れ #糸コマひっかかる #工業糸を家庭用ミシンで