手をいたわる

最近はコロナ感染予防で日に何度も手を洗ったり消毒したりしていますよね。そのせいで手の荒れが気になるという話をよく聞きます。

私たち洋裁の仕事をしている人間は言わば「手」が商売道具ですから、手荒れは大敵です。

指先が乾燥してささくれ立ったりしていると、布を引っかけて傷を作ってしまうこともありますし、手が乾いていると針や生地が手に馴染まず、作業がスムーズに進まない事もあります。

そういうわけで、こまめに手を保湿することが欠かせませんが、ハンドクリームは油分が多いので、大事な生地に油分が移ってしまう心配があります。

最近はオイルフリーのハンドクリームなども売っていますが、私は仕事場に保湿系の化粧水を置いて、乾燥したかなと思ったらこまめに「手」の保湿をしています。サラッとしていてベトつかないなのでおススメです。

スプレー式のプッシュディスペンサーに移し替えておけば一度に出し過ぎる事もないし、ハンドクリームのようにキャップの開け閉めの必要もなく、とっても手軽。日常的に洋裁をされる方はぜひお試しください。

手のケアと言えば、こまめに爪を切る。爪の引っ掛かりも洋裁職人にとっては大敵。爪やすりも常に仕事場に置いてあります。

ほかに仕事場に置いていると言えば、バンドエイド。間違って手に針を刺しちゃったりする事もありますからね(笑)。

そういえば余談ですが、大昔(工業ミシンを使い始めて間もない頃)ミシンの針で指を串刺しにした事があります。左手の中指の爪の横っちょらへんを貫通し、針は下がった状態で停止。恐る恐るはずみ車を上げてみると針は折れていて、「指ピアス」状態でした(;^_^A

その後、すぐに処置をしたら意外にもすぐに傷はふさがりました。当然の事ながら、人間の自然治癒力に感心しました。

その時はミシンで指まで縫っちゃう自分の不注意さに少し落ち込みましたが、その後、別の職場に移った時、「ああ、そんなの縫製職人、みんなやってるから」と事もなげに言われて、「へ~、そうなんだ」と少し安心。いや、安心しちゃダメですね(;^ω^)

それにしてもよく頑張ってくれてるとつくづく思います。自分のおてて。

この仕事も約30年。利き手の右親指は第一関節で大きく外側に湾曲してしまっていますが、それも勲章。ありがとう。これからもよろしくね。

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