こんばんは~(*^-^*)
今日は大事な脇役「伸び止めテープ」についてお話してみたいと思います。
洋裁好きの皆さんなら、きっと使ってらっしゃるでしょうね。
洋裁は基本的にミシン縫いですが、ミシンで縫う事で伸びてしまいそうな部分・・・たとえば布端がバイヤスになっている衿ぐりや袖ぐり、肩線など・・・その部分にあらかじめ貼っておくことで縫い目が伸びてしまうのを防止します。
皆さん良くご存じですよね?
また逆に「縫い縮み」が起きそうな部分に貼っておくことで、縮み防止の役割もします。
例えば、ウエスト切り替えでスカート部分にギャザーが入っているワンピースのような場合。
ウエストを接ぎ合わせる時に、ギャザーが入っていない身頃の方が縫い縮みやすくなりますが、あらかじめテープを貼ることで縮みにくくなります。
また、シルエットの安定のために貼る場合もあります。ジャケットの前端部分などに使います。
何となく習慣で伸び止めテープを貼ってはいるけど、ちゃんとした貼り方は知らないかも・・・という方も多いと思います。
参考書に書かれているやり方はそれぞれ少しずつ違っていますし、縫製工場の現場でもそれぞれの流儀があるようです。また、オートクチュールと大量生産でも違いがあります。「これが正解!」というのは実は無いのが本当のところです。
ですので、ここでは一般的に共通する基本的な考え方、私が経験の中で学んだ事などをお伝えしていきたいと思います。
まず最初に注意して頂きたい点があります。
- 裁断したらできるだけすぐに貼る
- 型紙の上に生地を置き、型紙通りの形に整えて貼る
- テープを貼って隠れてしまった合印やノッチを入れ直す
生地を型紙通りの寸法に保つためにテープを貼るわけですから、適当に置いて適当な形に貼ってしまっては意味がないどころか逆効果です。
「型紙の上にのせて貼る」
これは面倒がらずに必ずやってください。
では部位別に解説していきますね。
<1>衿ぐり
丸い衿ぐりの場合は「バイヤステープ」または「ハーフバイヤステープ」を使います。
「バイヤステープ」は地の目に対して正バイヤス(45°)、「ハーフバイヤステープ」はその名の通り正バイヤスの半分の角度(約23°)でカットされています。
スクエアネックの場合は「ストレートテープ」を貼ります。
貼り方ですが、基本は布の裏側の「縫い目にかかるように」貼ります。
接着芯は全て「縫い代に貼る」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、伸び止めの目的は「ミシン縫いで伸ばさない」という事です。
縫い目にかかっていなければ意味がありません。
テープの幅は1cmくらいの細めの物が良いです。
<2>袖ぐり
衿ぐり同様「バイヤステープ」または「ハーフバイヤステープ」を使います。
貼り方ですが、「ノースリーブの場合」、「袖付きで裏付きの場合」は衿ぐり同様、生地の裏側の縫い目にかかるように貼ります。
テープ幅も細めの物を使用してください。
注意して頂きたいのは「袖付きで裏無しの場合」です。
この場合はロックやジグザグ始末はするとしても、縫い代は見えた状態になっています。
身頃の裏側に貼った伸び止めテープも見えてしまいます。これではよくありません。
ではどうしたらよいでしょうか?
お袖を付けた袖ぐりの縫い代は2枚一緒にロック(またはジグザグ)始末をしますよね。
という事は、袖ぐりの表側、縫い代だけに貼るようにすれば良いのです。
そうすればテープは縫い代と縫い代の間に隠れてしまいますので、見えなくなる、というわけです。
<3>肩線
基本的に「ストレートテープ」を使います。
肩傾斜が比較的きつい場合は「ハーフバイヤス」を使います。
貼るのは前身頃のみです。後身頃には貼りません。
テープ幅は縫い代幅と同じ幅の物が良いと思います。
「裏付きの場合」、「裏無しで縫い代を割る場合」は生地の裏側、縫い代部分と、縫い目にも少しかかるように貼ります。
「裏無しで、縫い代を片倒しにする場合」は前身頃表側の縫い代部分のみに貼ります。
<4>前端
基本的に「縫い代部分」に、縫い代幅と同じ幅のテープを貼ります。
直線の部分には「ストレート」を使いますが、裾がカーブしているような場合は、カーブの部分に「ハーブバイヤス」を縫い目にかかるように貼ります。
<5>ファスナー部分
「フラットニット」「エフロン」などファスナーの場合は、「縫い代部分」に「ストレートテープ」を貼ります。
「コンシールファスナー」の場合は、基本的にテープは貼らず、開き止まりの部分に「力芯」(1.5cm~2cm角程度にカットした接着芯)を貼ります。
伸びやすい生地にコンシールを付ける場合は極薄の接着芯を2cm幅のテープ状にカットし、縫い目にかかるように貼ります。
<6>ポケット口
脇の縫い目を利用した「スラッシュポケット」の場合は、縫い代部分だけに貼ります。口部分より上下に1.5cm程度長めに貼るようにします。
裏付き服のパッチポケットの場合は四隅の力がかかる箇所の裏側に力芯を貼ります。
裏無しの場合は芯が見えてしまいますので、力芯を貼る代わりに補強のためのステッチを入れるなどの工夫をします。
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それぞれの部位や用途によって使うテープの種類、貼る位置などが違う事をご理解頂けましたでしょうか?
もちろん最初にお伝えしたように、「これが正解」という事はないのです。
色々試していく中で、自分が納得したやり方を見つけていくのが良いのではないかと思います。
ところで伸び止めテープはメーカーによってもテープの素材や形状、特徴も少しずつ違います。
その中で一つご注意して頂きたい事があります。
伸び止めテープと言えば一番手に入りやすいのがこちらでしょうか。
アサヒ「アイテープ」
こちらをお使いの方は多いと思います。
しっかりしていて良いのですが、テープがやや硬いので、柔らかい生地、薄い生地にはちょっと馴染がよくありません。
私は仕事用に使うテープ類はアパレル用の副資材業者さんから取り寄せておりますが、もっと柔らかで扱いやすいのです。
こういう物がもっと一般の方の手に入りやすくなれば良いのに・・・といつも思っています。
それで、もし薄地のテープが必要な時は、お使いの接着芯を自分でテープ状にカットして代用する事をおススメします。
芯地はダンレーヌ111番程度の物が丁度良いのではないでしょうか。
もちろん、薄手の物であれば普段お使いの芯地で構いません。
余った芯地の有効利用としてもおススメです。
ぜひ試してみてください(^^)/
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