カバーステッチ・・・悪戦苦闘の日々を今振り返る①

こんばんは!

日頃ニット物を縫われる方はよくご存じでしょう。
カバーステッチ。

ご存じない方のために一応ご説明致しますと・・・

カバーステッチとは、Tシャツやジャージのようなニット製品の裾や袖口などに良く使われている縫い方です。
最近では「カバステ」と略して言われているようですね。
インドの言葉かと思ったわ~^^;

こちらをご覧ください。
これが表側。

そしてこれが裏側。

 

見覚えありますよね?

この縫い方は、出来上がりに伸縮性を持たせたい部分に使われるステッチで、主に既製服で使われます。
このカバーステッチは専用のミシンが必要で、家庭用のジグザグミシンや普通のロックミシンでは縫えないのです。

いえ、厳密に言えば、家庭用でもカバーステッチが縫えるミシンが存在します。
ただし、この縫い方しかできない割になかなか高価なので、一般的にはちょっと手が出ない存在。
それだけに、「既製服のような出来上がり」に憧れる方には「欲しくてたまらないミシン」でもあるのかもしれません。

ところで、私は今から15年以上前になりますが、ニット製品の販売をした時期がありました。
と言っても量産ではなく、着物リメイク服とのコラボニット、という企画で期間限定販売したものでした。

私はもともとニットは専門外でしたが、この際だから、カバーステッチミシンも購入しようと考えました。
売り物になるようなクオリティにするにはカバーステッチは必須だと思ったからです。
これをきっかけにニット物も扱えるようになれば販路が広がるかも、という野望もありました。

とは言え、工業用の「扁平縫いミシン」はとても手が出ない値段でしたし、家庭用のカバーステッチミシンやフラットロックミシンも今よりはかなり高価な物でした。
もっと手頃な値段で買える物はないのか、と色々調べていたところ、某有名ミシンメーカーさんで「オーバーロックとカバーステッチが両方縫えるミシン」という、比較的手ごろな値段の機種が販売されているのを見つけました。
両方縫えるなら、とそれまで使っていたロックミシンは下取りに出し、そのミシンに飛びついたのです。

思えばそれが悪夢の始まりでした。

「目飛び地獄」

とにかく、まともに縫えたらラッキー、というくらいの確率で目が飛ぶのです。
あらゆる事を試しました。
糸調子を変える、縫い目の幅を変える、糸を変える、針を変える、伸び止めテープを貼る・・・
何とかうまく行く法則を見つけ出そうと悪戦苦闘の日々でした。

だいたいニットって普通の直線縫いでも目が飛びやすいのです。
わかりやすく言うと、押さえと送り歯で挟まれた生地が一瞬伸ばされ、伸びた部分が元に戻る瞬間に等間隔のミシン目をかいくぐってしまうのです。
しかも悪いことに、カバーステッチは一目飛ぶと、ちゃんと縫えていた部分も伝染するように解けてしまうのです。

確かにニットではない生地で縫ってみると、目は飛ばないんですね。
いやいや、ニット縫いのためのミシンなのに、それはないでしょ!

何度も縫い直しを繰り返しているうちに、生地に針穴が開いてしまう事も。
編み物をする方ならおわかりと思いますが、編地は一か所穴が開くと、どんどん穴が広がってしまいます。

購入してから早い段階で、「このミシンではまともに縫えない」と悟りました。
それでも、普通のロックミシンを手放してしまったので、もっぱらオーバーロックのためにこのミシンを使うようになりました。
ところが悪いことに、カバーステッチだけではなく、普通のオーバーロックも目が飛ぶようになってきたのです。

購入したミシン店はいつのまにか無くなってしまい、しかたなくメーカーに問い合わせてみても、「販売店を通してください」の一点張り。
別のミシン店にお願いして何度も修理をしてもらいましたが、結局満足できるような状態にはならず・・・

購入して3年、ついにミシンを手放し、代わりのオーバーロックミシンを購入することにしました。

あの時、何とかだましだましで仕上げたニット製品は結局ほとんど売れず、知り合いや生徒さんに安く買ってもらったり、人に差し上げたり。
田舎の家族に送って、それでも残った分は自分で着ました(T_T)。

さんざんな経験でした。

が、しかし!

これで終わりではないのです。。。
懲りない私がやったことは・・・・

 

次回へつづく

 

 

#カバーステッチ #カバーステッチミシン #扁平縫いミシン #フラットロックミシン
#オーバーロック

 

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