カバーステッチ・・・悪戦苦闘の日々を今振り返る②

ミシンを買い替えたことでオーバーロックがきれいに縫えるようになり、精神的にはかなり楽になりました。
もともとオーダーメイドの仕事がメインでしたから、直線縫いの工業ミシンとオーバーロックミシンがあれば仕事に支障はありません。
ニットだって、製品にしようと思わなければカバーステッチにこだわる必要もありません。

そうして再び平穏な日々が戻ってきました。
もうあのような思いをするのはたくさん・・・
もうカバーステッチミシンが欲しいなんて言わないよぜったい。。。

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「ミシン欲しい病」が再発したのはあれから1年もたたない頃のことでした。
たまたまある人のブログを読んでいた時のことです。

私と同じように自宅をアトリエにしているような同業者。
最近、中古の工業ミシン屋さんで古い型の「扁平縫いミシン」を買って、快適に使っている、というのです。
「扁平縫いミシン」は家庭用で言うところのカバーステッチ専用のミシンです。もちろん工業用。

そのミシン屋さんのHPを見てみると、中古の工業ミシンの在庫状況が掲載されていました。
ズラッとならんだ写真を端から見ていくと・・・

ありました!扁平縫いミシン。

15万円?!

や、安い!!

中古と言えど、工業用の扁平縫いミシンがこの値段は破格です。

と、たちまちこんな考えが頭に浮かんできました。

良く考えたら、私の場合、ミシンが良くなかったのかもしれない。 オーバーロックとのハイブリッドなんて、そもそも構造上に無理があったのでは? いや、家庭用を選んだ時点で失敗だったんだ。 だって、既製服はみんなちゃんと縫えてるじゃないの。
そうだ、工業用を使えば今度こそ・・・

 

いや、それは私だって考えましたよ。
これ、本当に必要なの?って。
でも、誰が何と言おうと、その時の私には必要だったんです。
カバーステッチを攻略できなかった過去の自分に終止符を打つ。
それだけのためだったとしても。

かくして私はその扁平縫い工業ミシンを買ってしまったのでした。

このミシン、値段からもわかるようにかなりの旧型でした。
説明書も当然ありませんし、家庭用と違ってネットでググれば使い方がわかる、というような物でもありません。
なにしろ工業用ですから。
でもミシン屋さんがちゃんと整備してくれてあるので、そのまま使う分には何の問題もありません。

肝心の「目飛び問題」はどうだったか、と言いますと、100%とまでは言えなくても、ほぼ大丈夫!
「やったぁ!やっぱり工業ミシンは違う!」

3台の工業ミシンと裁断台に囲まれた陸の孤島のような仕事部屋で、私は一人、悦に浸っていたのでした。

・・・思えばあの時が頂点でした。・・・

 

次回につづく

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#オーバーロック