こんばんは!
いままで洋裁に役立つ便利な道具を色々とご紹介していますが、今日は一定幅でミシンかけをするのに欠かせないアイテム「縫い代ガイド」のご紹介です。
かつての洋裁では出来上がりの位置に「切りびつけ」という糸印を付け、その印の位置にミシンをかける、というやり方でした。
しかし、最近一般的になってきたのは、脇や肩など一続きに縫う箇所はそれぞれ一定の縫い代幅を付け、布端をガイドに沿わせて縫う、という方法。
もとは既製服の現場で使われている方法ですが、個人の洋裁でもあたりまえのようになってきました。
私が既製服の現場に飛び込んだ約30年前。
しつけ糸も待ち針も使わないで服が縫える、という事に感動した事を覚えています。
それまで普通の洋裁教室では一着完成させるのに何か月もかかった、なんていう事もあたりまえでしたから、この方法は服作りのハードルを限りなく下げてくれたのは間違いないと思います。
ただし、この方法では「定められた縫い代幅に正確に縫う」という事が大前提です。
正確に縫われていないと、その先の工程でだんだんつじつまが合わなくなり、最終的に出来上がりの寸法も違ってきてしまいます。
たとえば8枚接ぎのスカート。
それぞれに1cmの縫い代が付いていたとして、それを1.2cm幅で縫ったとします。
たった少しの違いでしょ、と思うかもしれませんが、接ぎ終えたウエスト寸法は全体でなんと3.2cmも小さくなってしまいます!
これではベルトも付けらませんね。
これは極端な例ですが、肩や脇が正確に縫われていないと、衿ぐりや袖ぐりの寸法が違ってきてしまうので、当然、衿や袖を付ける時に合わなくなってしまいます。
そのぐらい縫い代幅を正確に縫う、という事はとても大事な事なんです。
ところで皆さんは一定の縫い代幅で縫う時に何を目安にしていますか?
布端を「針板に付いている目盛り」に合わせている、という方は多いと思います。
ただ、針板の線や数字って、色々あってわかりにくいですよね?
それに、合わせているつもりでもいつのまにかズレてきてしまったりしませんか?
で、私はこんな道具を使っています。
工業用(職業用)ステッチ定規です。
縫い代の幅に合わせてガイドを移動させる事ができます。
ガイドは言わば「ガードレール」のような物。
布の端をガイドに沿わせてミシンをかけるようにすると、縫い代幅はほぼ正確に保つ事ができます。
このタイプのステッチ定規は家庭用も市販されているのですが、残念なことに押さえがワンタッチで取り換えられる方式のミシンには取り付けできません。
その代わり、たいていのメーカーには家庭用ミシンに装着できる独自の「棒定規」というアイテムが別売りされているのです。
それがこちら。
「棒定規」というだけあって、本当にただの棒のような簡単な作りです。
値段も安価です。
これはパッチワークをされる方が一定間隔でキルティングする時のアイテムという扱いで、一般的にはあまり知られていない様に思います。
ですが、縫い代幅で縫う洋裁が主流になっている今、これくらい標準装備にして欲しいですよね?
使い方は押さえホルダーの穴に通して装着するだけ。
押さえホルダーの形はメーカーごとに違いますが、穴に通して装着、という仕組みは各メーカー共通のようです。
それで、代表的な「JUKI」「ブラザー」「ジャノメ」の各メーカーのミシンにそれぞれ対応する棒定規を取り付けてみました。
こちらは生徒さんが所有するJUKIの家庭用ミシンに装着したところ。
穴は結構きつめですが、ネジなどはなく、ただ穴に通すだけ。
こちらは教室で使っているジャノメの家庭用ミシン2種。
ジャノメは穴の上にネジがあり、取り付け時には緩め、固定する時はネジを締め付けるようにして使います。
こちらは「SECIO9090」という機種。
2枚目の写真はミシンの後ろ側から写したものです。
ネジに位置などがおわかりになるでしょうか。
もう一つは「メモリークラフト6000」という結構古い機種です。
取り付けは同じネジ式です。
2枚目の写真のように、ガイドの位置によっては押さえ金の右側についている調節ネジと接触しますが、問題なく使用できます。
そしてこれは私が所有するブラザーの「INNOVIS SE3800D」です。
取り付けはJUKIと同じで、きつめの穴に差し込むだけ。
このブラザーの定規はただの棒ではなく、ガイド部分が長くてしっかりしているので、とても使い勝手が良いです。
ただし、値段は他社のと比べると若干高めです。
この棒定規のガイドをスライドさせて、縫い代幅に合わせて頂くわけですが、一番確かなのは、物差しを使って、目で確認する事です。
それは針板に付いている目盛りはわかりにくいからです。
また、家庭用ジグザグミシンは直線を縫う時の針の位置を、「左寄り」と「中央」とを選べるようになっている物が多いと思います。
縫い代幅で良く使われるのが「1cm」か「1.5cm」だと思いますが、ジグザグミシンの押さえ金は横幅が広く、針が左寄りの位置にある時の「1cm」の位置は押さえの下に隠れてしまい、下の写真のようにガイドが使えない、という場合もあるのです。
従って1cmを縫う時は針を意識的に「中央」にし、物差しを使って棒定規のガイドの位置を確認してくださいね。
「縫い代ガイド」「棒定規」
毎日の洋裁に、ぜひお使いになってくださいね(^O^)/
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今日ご紹介した棒定規はこちらをご覧ください。
One Reply to “縫い代ガイド(棒定規)を使おう!”