こんばんは(^○^)
「大胆」と「繊細」。この相反する性質。
あなたはどちらのタイプですか?と問われれば、どう答えるでしょうか?
「う~ん、どちらかと言えば大胆な方かなぁ」
「私は細かいタイプかも」
あるいは、「どっちとも言えないかな。普通~!」という人もいるでしょうね。
この大胆さと繊細さの両方を「併せ持つ」という事が重要だと、という話を良く耳にします。
考えてみれば、確かに色々な分野で活躍されている人たちは、皆さんこの能力を持ち合わせているように思います。
社会的に重要な役割を担っている政治家や業界のトップと言われている方たち。
あるいはスポーツや芸術の分野で活躍されている方々。
将棋や囲碁の世界でもそうですね。
その道の達人と言われる方たちの多くはこの二つを併せ持ち、それを的確に使い分ける能力が備わっているのだと思います。
そんなすごい世界の話とはまるでレベルが違いますが、こと洋裁の中にも、この「大胆さ」と「繊細さ」の要素があるのです。
そもそも洋裁は細かい仕事です。
当然「繊細さ」が求められます。
一方、「デザイン」においては、少なからず大胆さも必要です。
「意外性」や「驚き」、「新鮮さ」といった感覚はその作品の大きな魅力になるからです。
とは言え、ファッションや服飾デザインはあくまでも服としての体裁や機能が満たされていて、尚且つ人々に共感を持ってもらえるようなものでなくてはなりません。そこが芸術と異なる点です。
ファッションの歴史の中で偉大なデザイナーたちはその命題に挑み、数々のスタイルやデザインを生み出してきました。
ある時は大胆に、ある時は繊細に。
そうして先人たちが作り上げてきたスタイルがいつしかスタンダードとなり、また無数の新たなデザインで塗り替えられていきます。
ファッションの世界にはもう私たちが大胆に生み出せる物など無いのではないか、とさえ思えてくる時もあります。
そんなジレンマに陥った時に助けになるのが次の二つの事です。
これは色彩の勉強をしていて気づいた事。
勉強をする前はその色に含まれるたくさんの情報を知らず、単なる「感覚的」な物ととらえていました。
色には「色相」「明度」「彩度」の三つの要素があります。
同じ赤でも「くすんだ赤」や「紫がかった赤」、「柔らかい赤」など実にたくさんの赤が存在します。
色をこの三つの要素で分析すると、その色が持つ特性がはっきりしてきます。
また、色と色の組み合わせ(配色)にも法則があり、それぞれに意味が存在します。
そういう事がわかってからは、街を歩いていても建物の色や看板の色、季節による木々の葉の濃淡、人々の服の色、それらひとつひとつを見る目が変わってきます。
ただ漠然と見ていたTVのCMも、製作者の明確な意図やねらいが手に取るようにわかってきます。
このように知識を深め、法則を知る事により、その中で何ができて、何がNGなのか、という事がはっきりしてきます。
法則の破り方がわかってくる、と言い換えることもできるでしょう。
そうすると不思議な事に今まで躊躇していた心のハードルが下がり、自由度が増してくるのです。
「法則を知って大胆に」とは逆説的な気がしますが、知らない事がかえってブレーキになっていると考えれば、それもまた真なのかもしれません。
熊本のご当地キャラクターの「くまモン」。
知らない方はいないでしょう。
この「くまモン」の生みの親、クリエイティブディレクターの水野学氏。
彼の成功哲学にヒントがあります。
「思いつく限りのアイディアを書きだしてみる」
この言葉通り、くまモンは目や口の位置などミリ単位で異なる3000体の候補の中から選ばれた1つなのだと言います。
つまり、採用されなかった2999体は結果的に失敗作だとも言えます。
国民的に愛されるキャラクター「くまモン」はそれほどまでに地道な試行錯誤の繰り返しによって誕生したのです。
水野氏は「優れたアイディアは天から降ってくるものではない」とも言います。
一人の特別な才能や能力よりも、アイディアを出来るだけたくさん持ち寄って、とことん試してみる事の重要性を教えてくれます。
私たちはとかく自分のアイディアや考えに固執して、近視眼的になりがちです。
先入観にとらわれず、常にフラットな心で、あきらめず求め続ければ、きっと答えは見つかるのではないでしょうか。
くまモンを見るたびに私はその事を思い出し、「あきらめずにがんばろう!」と勇気が湧いてくるのです。
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今日は「大胆さと繊細さ」というテーマでしたが、私なりの解釈で思いつくまま書いてみました。
自分の持って生まれた性格を変えるのは難しいかもしれませんが、行動を変える事によって「大胆さと繊細さを併せ持った」人間に少しでも近づいていければいいな、と思う今日この頃です(^^)。