こんばんは~(^O^)/
以前、汚れた羽織の裏地、「羽裏」を蘇らせ、ブラウスに変身させたのをご紹介しましたね。
(お読みになっていらっしゃらない方は「汚れた羽裏をリメイク♪前編・後編」もご覧になってください)
こんなきたな~い羽裏が・・・
こ~んなブラウスに!✨
着物リメイクの仕事をしていると、胴裏や羽裏、帯芯などが大量にたまってきます。
羽裏は柄物が多く、それなりに使い道があったりするのですが、胴裏はほとんどが白の羽二重。
材質はシルクですから高級素材なのに、「白い」というだけで使い道がない、というのは何とも残念です。
どうにか工夫して、素敵な物に蘇らせる事が出来ればいいなぁ、と常々思っていました。
というわけで、今回は「胴裏救済プロジェクト 第一弾」として、まずは白い胴裏を染色していこうと思います!
ちなみに、私が何かリメイクをする時に心掛けている事があります。
それは、リメイクに使う素材、材料、道具類などは
- すでに持っている物を使う
- 近くのスーパーや洋裁店などで簡単に手に入る物を使う
- インターネットで手軽に入手できる物を使う
という事です。
それは、そもそも私の中で「高級素材に頼らない」という考えがあるからです。
誰もが手にする事ができるような「あたりまえの物」を使って「唯一無二の物」を作り出す!
これって、ロマンだと思いませんか?(*^-^*)
そんなわけで、今までも私がやってきた染色はまさに「キッチン・ダイ」。
玉ネギの皮、頂き物の緑茶、コーヒーの出し殻、ナスの皮・・・
媒染剤も手作りです。
鉄媒染・・・家に眠っている「木ネジ」をサビさせて「食酢」に漬け込んだだけ。
銅媒染・・・以前「サンポールめっき」に凝った時に買った「銅線」を「食酢」に漬け込んだだけ。
今回は前回の羽裏リメイクブラウスに合わせて、濃い茶色のスカートを作りたい、という考えがありました。
でも、自然素材で濃色を出すのって、結構難しいんですよね。
もちろん、草木染にこだわっているわけではありません。時には化学染料も使います。
でも、せっかく染まりの良い「シルク」なのですから、ここは自然素材でいきたいところです。
何とか「こげ茶」までいけたら大成功なんですけどね。
さて、今回救済対象の胴裏はこちら。
これを身近な材料を使って茶色に染色していきます。
でも実際、思ったほど簡単ではなかったのです。
「失敗⇒リカバリ」の繰り返し。
なにせ、計量もアバウト、手順も時間も自己流ですから。
Take1【玉ネギの皮+鉄媒染】
まず選択したのは、おなじみ「玉ネギの皮」。
実はコーヒー染めにしたかったのですが、出し殻のストックが無かったので、あきらめました。
前回の羽裏ブラウスの時と同じ玉ネギの皮を使いましたが、あの時はミョウバン(アルミ媒染)できれいな山吹色になりました。
今回は鉄媒染。濃い茶色を期待しましたが、結局ベージュ止まり。
Take2【柿渋】
こげ茶になりそうな材料で手元にあるのはこれだけ。
柿渋も何度か重ね染めすることで濃い茶色を期待できます。
ただし、柿渋は原液で染めると、風合いが硬くなってしまいますので、薄めて2回染めました。
結果は、少し濃い色にはなりましたが、こげ茶にはほど遠い感じ・・・
しかも、染ムラが出来てしまいました。
Take3【コーヒー+鉄媒染】
やっぱり頼みの綱はコーヒー。
私はドリップコーヒーを淹れるのは朝1回だけ。しかも一人分。
この出し殻をジッパー袋に入れてとっておき、たまったら染色に使う作戦にしました。
これが1杯分。15杯分ほどためました。
1.②の生地で煮だし袋を作り、出し殻をぐつぐつと煮出していきます。
2.染液ができたら、生地を入れて、とろ火で40分⇒火を消し1時間放置
サッと洗ってザっと絞ります。
かなり染まってきましたが、この時点ではまだこげ茶とは言えませんね。
3.2.5リットルの水に鉄媒染液を大匙1杯入れて混ぜ、布を1枚ずつ入れて媒染します。ここで一気にこげ茶になってきました!
ちなみに、染液も媒染液も本来は生地の20倍の量が必要だと言われています。
写真のように生地に対して液が少ないと、染ムラができてしまうそうですが、今回は気にしないことにします(^▽^;)
4.再び染液に戻し、とろ火で40分⇒火を消し1時間放置
5.色止めに食塩を入れ、しばらく放置後、洗浄⇒柔軟剤仕上げ⇒脱水⇒即アイロン乾燥
こうして、完成したのがこちら。
どうでしょう?(*^▽^*)
イイ感じのムラ染め感だと思いませんか?
木櫛染めのような縦のラインは、Take2の柿渋染めによって生み出された思わぬ効果だと思います。
これを見た瞬間、もう私の中でデザインが決まってしまいました!
例の羽裏ブラウスに合わせるスカートにするのはやめて、別のアイテムにします♪
早く洋服に仕立てたくてワクワクです(*^▽^*)
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というわけで、「胴裏救済プロジェクト 第一弾」、如何でしたでしょうか?
この後、この生地を服に仕立てたり、また、別の素材を使って違う色の染色にも挑戦していこうと思っております。
「エコでゆる~いリメイクプロジェクト」はロマンでいっぱい✨
ご一緒にいかがですか?