こんにちはー(^^)/
洋裁の指導をやっていて、最近つくづく思う事があります。
洋裁の基本中の基本である、
「縫い代幅を正確に縫う」
「合印を正確に合わせて縫う」
この当たり前の事が、なかなか出来ていないのですね。
このうち、「縫い代幅を正確に縫う」ためには、針板の目盛りを基準にしたり、別売りの「縫い代ガイド」を使う、という方法などをこれまでも提案してきました。
よっぽど古い型のミシンは別として、たいていの家庭用ミシンには目盛り付きの針板が装備されています。
縫い代幅が1cmなら、1cmの目盛りに布端を揃えて縫えば、ちゃんと1cm幅に縫える、という理屈ですが、実際はそう簡単ではありません。
縫っているうちに、どうしても太くなったり細くなったりしてしまい、正確に一定幅にならない、というのは誰しも経験している事だと思います。
その点、「縫い代ガイド」を使えば、布端が目盛りを超えて行ってしまうのを物理的に防いでくれます。
結果、縫い代幅の精度が高まる、というわけです。
そのため、今までこのブログでも「縫い代ガイド」を推奨してきました。
ちなみに私がいつも仕事で使っている工業用のステッチ定規はこちらです。
こちらは工業用ですので、家庭用のミシンには使えません。
主だったメーカーの家庭用ミシンには、純正の縫い代ガイドが別売りで存在します。
しか~し!
各メーカーのそれを実際に使ってみると、いろいろな問題点がある事に気付きます。
- そもそも、こういう付属品が「標準装備」ではない(または存在しない)。
- 取り外しが簡単ではない(抜き差しが異常にかたい)。
- 押さえ金の種類によっては、干渉してしまって使えない。
では、ミシンメーカー以外の、「市販の縫い代ガイド」はどうか?
残念ながら、これらにも問題があります。
市販のガイドは、押さえ金を固定するネジ部分に取り付ける仕組みになっているのですが、各メーカー、各モデルによってミシンの仕様はまちまちです。
そのガイドが自分のミシンに適合するかどうかあらかじめはわかりません。
「買ってはみたけど使えなかった。」
などの声も耳にします。
そういった事を考えると、一番無難なのは「マグネット式縫い代ガイド」という事が言えるかもしれません。
こちらが一般的なマグネットガイドです。
このマグネットガイド、残念なことに、あまり使い勝手がよろしくない・・・と私は思います。
その問題点をあげるとすれば・・・
- 大きすぎる(ガイドの長さが長すぎる)
- 高さが高すぎる
- 布端付近が暗がりになって見えにくい
- 固定力が弱く、ずれてきてしまう
縫う箇所は直線だけとは限りません。
特に衿ぐりなどの「インカーブ」を縫う場合、縫われた後の布は右側に回り込んでいかなくてはならないのですが、ガイドの長さが長いと邪魔になって回り込めません。
そもそも、ガイドが必要なのは針の位置なのであって、針位置より奥には必要ないのです。
では、もっと手前に置けば良いのでは?と思うかもしれませんが、家庭用のミシンは針の位置の手前はボビンを入れる部分のプラスチック製のフタがあり、マグネットが効かないのです。
ガイドが長い必要はない、というか、「短い方が使いやすい」というのが私の持論です。
また、市販の物は磁力を高めるためか鉄製のカバーが全面を覆っています。
しかも高さが9mmくらいありますので、ガイドの真下付近は陰になってしまいます。
布端が揃っているのか、丸まってしまっているのかなどが良く見えないのです。
このように、メーカー品や市販品でも満足のいく家庭用の「縫い代ガイド」という物が残念ながら見当たらない、というのが現状。
生徒さんたちが正確な縫い代幅で縫えていないとすれば、「良いアイテムがない」という事が大きな原因の一つなのではないか、とあらためて考えさせられたわけです。
余談ですが、工業用には各種の「段付き押さえ」という、ステッチ幅に応じて等幅のステッチが簡単にかけられるアイテムがあります。
しかし、なぜか家庭用ミシンには、コバステッチをかけるための押さえ金が存在しません。
目視で、きれいなコバステッチをかけるのはプロであっても難しいものです。
なぜミシンメーカーは家庭用のコバステッチ押さえを作ってくれないのでしょう?
家庭用ミシンのユーザーが何を本当に望んでいるのか。
ミシンメーカーは本気で考えて頂きたい!と思わずにいられません。
話はそれましたが・・・
「無いなら、自分で作るしかないか!」
というわけで、私なりに使いやすい、と思う縫い代ガイドを現在試作中であります!
すでに何人かの生徒さんにはお配りしてモニターしてもらっていますが、なかなか良い手ごたえです。
まだ今の段階ではビジュアルをお見せできませんが、もし製品化するような事になれば、こちらのブログでもご紹介したいと思います(^^)/
それではまた~(^O^)/