博多帯で長財布

こんにちは~

着物地のリメイク。

時代とともに波はあれど、根強い人気がありますよね。

着物素材の中で、扱いに注意が必要なのが「帯」。

地が厚手で、全面や部分的に刺繍が施されてある物も多く、生地幅も着物の並幅より若干狭くなっています。

また、要尺的にも少ないので、洋服にするには今一つ使い勝手が良くありませんね。

そういうわけで、一般的に帯と言えば要尺が少なくて済み、シンプルな構造のベストや、バッグなどの小物にする事が多いようです。

私も帯を使ってバッグやポシェット、リュックなど色々な小物を作ってきました。

そして、今までやったことのない「ファスナー付き長財布」に、今回初挑戦してみました!

最初なので、比較的縫いやすい「博多帯」で試作を。

それがこちら。

 

構造や寸法は実際の財布を参考にしたのですが、カードも入れやすく、ファスナーの開閉もスムーズです。

ただ、着物地や帯のリメイクで特に心配なのは耐久性です。

何しろシルク素材は繊細でデリケート。

出来上がったばかりの時はとても良い感じなのに、使ううちに布が裂けてきたり、バッグの角が擦り切れてきたり、という事が起こりがちです。

なので、古布素材の強度を高めるためにこれまで色々試行錯誤してきました。

今回の博多帯は、前段階で液体樹脂を繊維に浸み込ませて、下処理をしてあります。

使ったのは、エコクラフト用の水性アクリルニス。

 


エコクラフトとは、紙製のバンドを編んでかごやバッグなどを作る手芸ですが、その仕上げに使うと、強度や耐水性を高めてくれる仕上げ剤です。

これは布に使う事もできますが、色々な理由で布製の作品の仕上げ剤として原液を塗布するのはおすすめできません。

詳しい理由は省きますが、布の質感を残すためには原液ではなく希釈する必要があり、水分が多いと塗った後に布にシワが出来るので、そのあとアイロンをかける必要があるのですが、出来上がった作品にきれいにアイロンをかけるのは難しいのです。

そのために、縫製前の布の段階で下処理をする方法にたどり着きました。

 

具体的には、約20倍に水で希釈した水性ニス溶液に粗裁ちした博多帯を浸します。(原液大匙1に対して水300cc)

全体に浸み込んだら、表面の水気をタオル等でしっかり拭き取り、当て布をしながらアイロンで乾かしていきます。

丁寧に形を整えながら、きれいに平らに伸ばしていきます。

こうして下処理をした生地を裁断、縫製していくのです。

こうして出来上がった長財布。下処理をしたとは言え、角の部分はやはり擦り切れが心配です。

そのため、最後に角の部分だけにほんの少しだけニスの原液を塗って補強しました。

部分的にニスを使うと、塗った部分の色が多少変わってしまうので(油ジミのように黒っぽくなる)、目立たない範囲で必要最小限の使用にします。

 

出来上がったお財布はしばらく使ってみて、使い心地や耐久性を検証し、さらにブラッシュアップさせて、ゆくゆくは豪華な刺繍帯でも挑戦してみようと思います(^^)/

 

それではまた~(^.^)/~~~

 

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