使えばわかる!「メルター」の実力 応用編

こんばんは~!!

今日は昨日に引き続き、熱接着糸「メルター」の使い方をご紹介していこうと思います。

昨日の投稿をご覧になっていない方は、ぜひこちらもご覧ください♪

メルターはその特性から「しつけ」の用途だけではなく、色々と便利な使い方が出来るのです。
今日はその「応用編」をご紹介してきますね。

では始めましょう(^^)/

 

その1【細い三つ折りステッチで使う】

細い幅(5mm~7mmくらい)の三つ折りって、難しいですよね~。
ミシンには「三巻き押さえ」という物も存在しますが、使いこなすのが難しい・・・
で、この押さえを使わずに、アイロンで細く三つ折りにしようと思うと、これがまたまた難しい・・・

特に最初のひと折りがきれいに折れません。
一定の幅にならず、デコボコになりがちです。
こんな感じに・・・

そんな時にメルターを使うと、最初のひと折りがとても折りやすくなるのです。
手順は次のようになります。

 

①下糸をメルターにし、縫い目幅を大きくします。(4くらい)
※上糸は普通のミシン糸を使います。

②最初のひと折りをする折り目線に布の表からステッチをかけます。

これが表側。

これが裏側。メルターが見えています。

※押さえの縁や送り歯の溝などを目安にして、出来るだけ一定の幅で縫いましょう。

 

③ミシン目のところからアイロンで裏側へ折ります。

やってみるとわかりますが、ミシン糸とメルターがささえになって、とても折りやすくなります。メルターのおかげで折り目が固定され、起きて来ることがありません。

全部折ったら、上糸ははずしておきます。
デコボコにならず、きれいに折れました。

 

⑤最初に折った幅でさらにもう一度折ります。

※ひと折り目が細く一定に折れているので、ふた折り目はカンタンきれいに折れます。

⑥下糸をミシン糸に入れ替え、縫い目幅を普通に戻して、ステッチをかけて仕上げます。

 

今回は細幅縫いが失敗しがちな家庭用ミシンをあえて使いました。
針穴に引き込まれない様、縫い始めに紙を敷き(これはレシート・・・笑)、安定しない送り歯の補助として布ヤスリのミシン定規を使ってステッチしました。
結構きれいに仕上がりましたよね?
このような家庭用ミシン対策についてはこちらの投稿をぜひご覧ください(^^)

 

その2【耳接ぎで使う】

「耳接ぎ(みみはぎ)」とは文字通り「布の耳どうしを接ぎ合わせる」という事。
どういう時に使うかと言うと、特に「着物リメイク」ですね。
着物地って生地幅が狭く、長さも限られているので、裁断で布幅が足りない時があります。
普通は切り替えを作って型紙を分割したりします。
足りない分量がほんのわずかだったり、表に出ない見返しなどの場合はわざわざ切り替えにせず、耳接ぎで生地をつなぎ合わせて大きい布にしてから裁断する、という手法を使う事もあります。

問題は耳接ぎした布に接着芯を貼る場合・・・
接ぎ割りした部分は縫い代が浮いてくるので、接着芯は生地に密着せず、その部分から芯が剥がれてくる事があるのです。

例えばこんな風に耳接ぎした生地に芯を貼って見返しを裁つ場合。

耳接ぎした生地に接着芯を貼ってみます。

縫い代のきわで芯が浮いているのがおわかりになるでしょうか?
こうならないためには、割った縫い代を生地に密着させ、起きてこないようにすれば良いのです。

ここで「メルター」登場!

布と縫い代の間にメルターを挟んで、アイロンで接着します。

両側とも接着させます。
できるだけ縫い代の布端を接着させるようにします。

その後接着芯を貼ったのがこちら。

しっかりと接着芯が密着しているのがおわかりになるでしょうか?

 

その3【縫い目のほつれ止めに使う】

ミシン縫いは基本的に縫い始めと縫い終わりは解けないように「返し縫い」をします。
でもステッチなどで返し縫いを見せたくない場合もありますよね?
例えばこんなポケット口。

縫い始め、縫い終わりは返し縫をせず、上糸と下糸を結んだりしますよね。

この糸端。どうしますか?
三つ折りの中に引き込んで隠す、というのが一番きれいですね。
そのためには、糸を手縫い針に通さなくてはなりません。
でも、写真のような糸の長さでは難しいですね。
かと言って糸を短く切ってしまうのは心配・・・

そんな時、裏側の縫い目に糸端を重ね、上からメルターでくっつけてしまいましょう!

 

これなら糸がほどけてくる心配はありません。
メルターは溶けると透明になりますので、接着跡もそれほど目立ちません。
もちろん表もすっきり♪

この時、アイロンが直接メルターに触れると、アイロン面にくっついてしまいますので、必ずクッキングシートやフライパンホイル、写真のようなアイロンカバーを使ってくださいね。

※アイロン面を汚さないアイデアについてはこちらの投稿をご覧ください。

 

その4【接着剤として使う】

熱接着アイテムというのは実はメルターの他にもあります。

たとえばこちら「ダイナックテープ

別名「くもの巣テープ」とも言われています。

 

こちらは「接着パウダー

こちらはご覧の通り細かい粒状です。

どちらも素材はメルターと同じように「熱で接着できる樹脂」。
便利なアイテムなので私も使っています。

ところが場合によっては、これらのアイテムよりメルターの方が使い勝手が良い事があります。
その大きな理由がこちらの2点

1.ダイナックテープの方は溶けた跡が白く残ってしまう。
2.接着パウダーは散らばりやすく、目的の部分にピンポイントに使うのが難しい。

 

この2点に対して、メルターは優秀です。

繰り返しになりますが、メルターは溶けると透明になります。
しかも、他のほつれ止め液やボンドのような液体では生地にシミを作ってしまう場合もありますが、メルターはその心配もありません。

また、メルターは超極細糸を束ねて撚り合わせてあります。
撚り合わされている極細糸をほぐして数えてみた事がありますが(笑)、おそらく100本くらいはあったと思います。
これを思い切りほぐしてみると、ワタあめのようにモシャモシャ、ふわふわになります♪

私はこれを「メルターわた」と呼んでいます♪
ほぐし方で形も大きさも密度も自由に変えられる優れものなんです!


このほぐす過程も結構楽しいものです(^○^)

 

例えばパッチポケットを付ける時、身頃本体の裏側に「力布」を付けたりしますが、これを「メルターわた」で接着してみましょう!

こんな風に丸く切りっぱなしで大丈夫です。

 

やり方はカンタン。
力布の下に「メルターわた」を敷いてアイロンするだけ。
少しくらいはみ出しても、溶けると透明になるので気になりません。

縁までしっかりと貼れているので、ほつれてくる心配もありません。

この「メルターわた」、ワタあめみたいに可愛くて、私は気に入ってます♡
ぜひやってみてください(*^^*)。

 

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2回に分けて「メルター」の利用方法をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

先ほどご紹介した「ダイナックテープ」や「接着パウダー」も広範囲に使う場合やかけはぎなど、用途によってはとても便利なアイテムです。
こちらもぜひお使い頂ければ、と思っております!

また、今日は「三巻き押さえ」について少し触れましたが、別の機会にこの押さえを使った「三巻き縫い」のコツについても取り上げたいと思います。

ぜひお楽しみに(@^^)/~~~

 

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