おはようございます(^^)
コロナ禍になって、時々既製服の量産縫製のお手伝いをしていますが、最近、スタンドカラーの服が来る事が重なりました。
自分の私服でも、生徒さんからの依頼で作るパターンでも、シャツカラーを手掛ける事がたまたま多かったので、あらためてスタンドカラーやシャツカラーについて考えてみたいと思います。
「シャツ」と言えばメンズのワイシャツが代表的ですね。その他にもカジュアルシャツやレディースのブラウスなど、種類は数え切れませんが、今回はワイシャツを含めた「台襟付きシャツカラー」に絞って考察します。
私自身、シャツは好きで、よく作るし着ますが、本当に奥が深いなあ、と思います。
特に第一ボタンを外して胸元を開けた時の形が決まっていると、「カッコいいな!」と感じます。
これって、簡単そうで実はとっても難しいんです。
何故かと言うと、第一ボタンまでとめる場合やワイシャツの様にネクタイをする前提で作られたシャツは、胸元を開けて着ると、ほぼ例外なく衿が外側に折れ曲がるように開いてしまい、カッコ良い胸元にならないのです。
通勤電車に乗っているサラリーマンの方々はたいていワイシャツを着ていますが、今の時期はまだジャケットを着ず、ノーネクタイの方がほとんどです。
そういう方のワイシャツの胸元は、ほぼ例外なく第二ボタンの位置からペコリと台衿部分が折れ曲がって、だらしなく開いています。
これはワイシャツが胸元を開けて着る事を想定して作られていないため、台衿や上衿の形が直線に近い形になっています。これがペコリと開いてしまう原因なんです。
どういうことか、というと。。。
シャツカラーを作った経験のある方ならお分かりだと思いますが、台衿の形は後中心からサイドネックポイントあたりまではほぼ直線で、前中心に近いあたりで少しだけ上向きにカーブしています。このカーブの角度が小さいと、台衿の上側の寸法が下端(身頃に付く方)の寸法に近くなります。このため、上まできっちりボタンをとめたり、ネクタイをしても首が苦しくならない、というわけです。
ですが、この台衿の上側の寸法が大きいため、ボタンを外したときは首から離れて行こうとしてしまうのです。
という事は、台衿の上側の寸法をもっと短くする、つまりカーブの角度を大きくすれば、ボタンを外した時に広がってしまう事はない、というわけです。
極端に言うと、前部分では台衿は身頃を上に延長したような形、具体的には、台衿の下端の曲線を身頃の衿ぐりのカーブと同じくらいにしてあげれば、ペコリと折れ曲がってしまう事は無いのです。
でもそうすると、一番上までボタンをとめるとキツくなるんじゃない?と思いますよね。
その通りです。
でも、必ず上のボタンを開けて着るのであれば、それでも良い、と言うか、それが一番きれいに胸元が開く、といわけです。
ちなみに私の今日着ているシャツですが、一番上までボタンをとめるとこんな感じ。
ちょっと苦しそうでしょ?(笑)
で、第一ボタンを外すとこんな感じ。
どうでしょう?胸元の開きかげん、良い感じじゃないですか?
でも、一番上のボタンをとめても、外してもカッコ良いシャツにするにはどうすればいいでしょう?
そう言う時は、元の衿ぐりを前だけ少し大きくすれば良いのです。
この場合、衿ぐりを広げるには、袖ぐりのカマ(カナメ)を起点に足りない寸法を前衿ぐりで切り開く様にしましょう。単純に全体を広めにカットしてしまうと、前後の肩が合わなくなったり、バランスが崩れる原因になりますので、ご注意くださいね。
パターン補正が出来たと言っても、安心出来ません。縫製段階でもいくつもコツがあるのですが、それはまた別の機会に取り上げますね。
というわけで、今日はシャツカラーを考察しましたが、如何でしたでしょうか?
納得いくまで要らない布で仮縫いして、ぜひ自分だけのスペシャルなシャツを作ってください(^-^)
それではまた〜